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ガン治療のホントの状況

一般書籍で、「〇〇病は治る」といった類のものが出るということは、その病気は通常、治らない病気です。売るためにキャッチーなフレーズをつけた本が出版されているからなんですが、問題はどこまでが正しい情報なのか?で、このリテラシーがとても難しいと言えます。ガンなどはその最たるものだと言えるでしょう(他にアトピーや身近なところでは花粉症なども)。今回は3つの説をそれぞれ、紹介します。どれが正解という事は言えないので、その特徴と個人的な感想だけを書きたいと思います。

 

まず、標準治療(手術、抗がん剤放射線治療など、普通の病院で行われるもの)否定派です。

 

「がん」の非常識 がんの正体がわかれば末期がんも懼れず

「がん」の非常識 がんの正体がわかれば末期がんも懼れず

 

 問題は末期がん3年生存率60%という数字の信ぴょう性です。本当なら画期的な事ですが、こういう本を検証する第三者機関というのは存在しません。また、個人情報の観点から、著者もすべてを公開することは不可能でしょう。そのため、本当かどうか、判断する事は、究極は不可能です。ただ、正直、タイトルは大げさだと思います。

 

ガンの正体はわかっていません。仮に著者の方法が一定の成果をあげていたとしても、それは著者の主観的な感想の域を超えません。科学的には証明できないはずです。

また、3年という数字も微妙です。3年を経過すると、結局、亡くなっているのだとすれば、実は末期と呼ばれている人も、意外と長生きする場合もあるので、この治療法を選択したから、長生きしたのだとする根拠に乏しいものがあります。もっとも、本当に成果をあげているのだとすれば、もっと、普及して欲しいとは思いますが、コストの問題もあるので、なかなか、難しいとは思います(医師のするガンの代替医療はとんでもなく高いのが普通。著者のクリニックのサイトでは金額は確認できなかった)。

 

また、代替医療でガンが治る場合は真正のガンではなくて、ガンもどき(近藤誠医師 提唱の概念)の場合だけだという見解もあります。ただ、末期ガンへの延命効果が本当だとすれば、それは真正のガンです。なぜなら、ガンもどきなら、そもそも、死にませんから。しかし、やたらと末期でも希望と、うたうわりに、

 

結局、治ったとは書いていない

 

ことが問題です(あくまで、3年の延命)。これをどう、評価するかです。タイトルまで著者が考えたかどうか、わかりませんが、

 

私は末期がんでも治します

私は末期がんでも治します

 

 これは明らかに言い過ぎだと思います。

 

 

次に標準治療推奨の本です。

 

がん外科医の本音 (SB新書)

がん外科医の本音 (SB新書)

 

 逆に標準治療推奨の人は、それ以外の方法に対して、無知ですから、比較対象するだけの材料を持っていません。なので、コチラの主張も無条件で鵜呑みには出来ないというのが実情です。

 

最後に、治療法そのものの是非を議論してもナンセンスなんだという、新しい説です。著者の主張は人体には個性があるのだから、そもそも、病気別に治療法を限定していること自体が、治癒率を下げているという主張です。

 

ガン治療は兵法である

ガン治療は兵法である

 

 標準治療 VS 代替医療

 

という構造自体を否定していて、患者はもっと主体的に自分に合う治療法を選択するべきだという主張です。標準治療が正しい、いや、間違いだという専門家の論争にふり回れても、良い事はない。一般の患者が欲しいのは、どうすれば治るかだという主張です。

 

確かに、標準治療で治った人、代替医療で成果をあげた人、本の内容が正しいなら、それぞれです。結局、患者は効果がある方を適時、選択すべきで、どちらが正しいかどうかを患者は見極める立場にはないとは言えます。

 

以上3説、どの本が正しいのかは、読者に委ねるのが一番、良さそうです。

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