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オープンソースな治療法 その33(プラシーボ)

プラシーボというのは、偽薬という意味で、プラシーボ効果とは、要は

 

「イワシの頭も信心」

 

という、通常は否定的な意味で使われます。薬の開発は、二重盲検法のチェックをしますが、これは見た目がソックリの砂糖で出来たものと、本当の薬との2種類を用意して、

 

飲む人もどちらが本物か知らない

 

渡す人も知らない

 

という二重の条件をつけてやる事で、人間の持っている思い込みで治ってしまう現象を除いた、本当の薬理効果を調べるための検査です。ただ、これは製薬会社の人から聞いた話で、きちんとした統計データを知っているわけではないのですが、

 

ほとんど、大きな差は出ない

 

んだそうです。それくらい、人間の思いによる、作用が強いとも言えます。

実は逆にこのプラシーボ効果を利用して、治療法そのものにしようという試みは

大昔から伝統的にされているようです。有名なのが、麦粒腫(ものもらい)のおまじないでしょう。これは各地方でやり方が違うところを見ても、やり方そのものに何らかの意味があると考えるよりも、プラシーボ効果を発動させるきっかけとしての、手段と考えた方が自然だと思います。

 

もっとも、呪術的な医療のすべてがプラシーボであると主張しているのではありません。ここで、大切な事は、プラシ-ボを否定的にとらえるよりも、有効な治療法の一つとして、利用すればよいのは?という提案なのです。実際、アンドリューワイル医師も医師のすべき事として、プラシーボを大いに活用すべき事である旨の発言をしています。残念ながら、偏った、科学信仰者(科学は私も肯定です。偏った科学信仰に問題があると言っているだけです)は自然療法の効果を

 

「そんなもの、プラシーボ効果といってね...」

 

といったような話をする人が多いようです。また、ワイル先生が言うようにあらゆる医療行為にはプラシーボ効果が付随します。西洋医学でも、信頼している医師が処置してくれたと思うと、効果は上がるでしょうし、何より、西洋医学は多数派ですから、数の論理で、なんとなく、安心感をもたらします。

 

有名な話では、風邪です。風邪はウィルス疾患であると主張しているのに、ウィルスには絶対に効かない、抗生物質を投与されるのが通常の臨床現場です。でも、治る人が多いんです。これこそ、プラシーボでしょう。

 

それにプラシーボだと否定的に言う人に聞いてみてください。

プラシーボの原理はなんでしょうか?と。わからないのです。わからないものをわからないもので、無理やり説明しようとしているだけなのです。正直にわからないと言えばよいだけなのに、もっともらしい専門用語を作って、もっともらしく見える説明をしているだけに過ぎないのです。

 

ただし、西洋医学だけの問題ではありません。自然療法でも、プラシーボ効果を利用して、高い金銭を要求する人も多く、います。また、プラシーボ効果は常に働いてくれるわけではありません。

 

あくまで、プラシーボはプラシーボと自覚したうえで自主的に試すというスタンスが良いと思います。

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