オープンソースな治療法 その3(自彊術)
治療法には方法論として、3種類に分けられます。
一つ目は、専門家に治療してもらう方法。鍼灸や整体などが典型です。
2つ目は、専門家と患者が協調して、治す方法。心理療法など対話中心の場合が典型です。
3つ目は、患者が自分でする健康法です。体操やヨーガなどが典型です。
今回は3つ目になると思いますが、自彊術という、体操です。ただの体操ではありません。元々、著名な治療家(中井房五郎先生)が自力で治療する事を目的開発した、おそらく、パターン系では最強の体操です。歴史も古くて、ラジオ体操導入時に、
「我が国には自彊術という国民体操があるのに、なぜ海外の体操など、導入せねばならないのだ」
という反対の声があがったという逸話が残っているそうです。大正時代に一世を風靡し、国民体操にまでなった自彊術ですが、その後、廃れていきます。自彊術は寝転ぶような動作があるので、屋内でしか出来ないのも、その要因だと思います。そんな時に、内科医であった、近藤芳郎先生の奥様が自彊術で健康になった事がきっかけで、近藤先生自身も自彊術にはまっていきます。その治癒力に魅了された先生は、自身の医院に来た患者を自彊術教室へと移行させていくほどでした。なんだか、操体の橋本先生と似ていますね。
詳しくは、こちらをどうぞ。
自彊術の長所は、その治癒力です。パターンがあるので、操体のように毎回、調べる事をする必要がありません。
短所は、辛い事です。慣れれば、楽に出来るようになるし、高齢者もしていると言う事になってますが、それは、臨床の現場を知らない意見ですね。まぁ、高齢者は自分ではなるべく、動かないように生きている人がほとんどですよ。若者でも、31種類にも及ぶ動作を結構なスピードで動かすのですから、結構、ハードです。難病者は1日に2回はする事になっていますが、これは事実上、難しいと思います。しかし、変な専門家の所に行くよりは、よっぽど、効果は期待出来ます。
教室に通った方がわかりやすいと思いますが、NHKからDVDが出ていますので、そちらを見られたら、わかると思います。ちなみに2枚出ていますが、入門編だけで十分です。本も出ていますが、さすがに本ではわかりにくいです。
これの続編記事はこちら