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タッピングの考察

現在、広く普及している、タッピングの元祖はロジャー・キャラハン博士が、ジョン・ダイアモンド博士のエネルギー心理学という治療法から派生させた、TFTです。ただ、TFTは非常に複雑で、病気別にタッピングの順番や箇所が違う、アルゴリズムという概念があったりと、専門的過ぎた為、一般には普及しませんでした。そこで、キャラハンの弟子達が、EFTという、TFTの手順を簡易化しながら、効果を落とさない工夫をしました。それが現在、最も普及しているようです。ただ、EFTはアファメーション、リマインダーという、言葉を使います。主に、プラス思考の言葉を口に出して言う事で、効果を高めようというものです。ところが、西洋発の治療法をそのまんま、日本人に当てはめると、無理が生じるというケースの典型で、プラス思考の言葉を口にしたとたん、無意識が、逆に拒絶してしまうという現象が起こります。例えば、タバコを辞めたい人が

「私はタバコを辞める事を受け入れます。」

といった、リマインダーを使うと、潜在意識では反対に

「でも、そんなの無理だよな」

と感じてしまい、効果が出ないワケです。そこで、リマインダーを思い切って、取り除いた、さらに簡便な方法が出てきます。エナジータッピングです。

 



さて、このエナジータッピングの効果はというと、私にはEFTよりもありました。確かに効果を重視して、数あるタッピング系の中から、厳選している感じです。

ただし、弱点もあります。それは、カスタマイズの余地がほとんど無いという事です。いつも、本ブログで書いているように、万人に合う治療法は存在しませんから、カスタマイズ出来る自由度は大切な要素です。ただし、自由度が高いと、その分、特に素人である一般の人が使いこなすのが難しくなります。彫刻とプラモデルの差といえばよいでしょうか(あまり良い喩えではない?)。

また、本には厳格なツボの位置や回数にはこだわらなくて良いから、順番だけは守らないと、効果が無いとか、身体の愁訴と、精神的な不安などの愁訴、ダイエットなどと、3種類に方法に分かれていると書いてありますが、

ウソです。

というのも、まず、元祖のTFTのキャラハンが、TFTのルールを守るように発言していたのに、まず、EFTがそれを破りました。さらにそのEFTにしても、ルールを守らないと効果が無いと言っているからです。エナジータッピングは、TFTのルールもEFTのルールも、一部、無視して、堂々とルール変更したものと言えます。ただ、ネーミングを変えただけです。

実際、感情に効く方法を身体の症状に適応させても、効果がありました。こんなものなんです、治療法のルールというものは。効果はありますが、ルール化は所詮、創始者やその信奉者達が、作り上げたストーリー(想像的仮説)を一部、含んでいるのです。というのも、創始者は試行錯誤で治療法を構築しながら、一定の段階で、完成、発表せざるを得ないからです。そのため、完全無欠なものは出来ず、常に派生が生まれていくのです。また、量子力学で言う、観測者効果との関係もあり得ます(その話は長くなるので、今回は割愛)。

 

また、タッピングというのは、本当にツボの効果(経絡の気の停滞の解消)で治っているのでしょうか?これも、2つの意見があるようで、

 

心理学の専門家ー>あれは一種の認知療法であり、不快な感情を想起する事に意味がある。ツボは無関係だ。

 

鍼灸師ー>どうやって、ツボを選択したのか、わからないし、もっと、効果のある他のツボもある。また、本来、ツボは個人によって変わるものだ。

 

そして、こんなツボに無関係なタッピングもあります。

http://www.tappingtouch.org/

こうなると、さらに何が原因で、効果が出ているのか、特定しずらくなります。

そもそも、皮膚という、組織が、実はこんなに優れたものなんだという、主張をしている人達もいます。

 このように、代替医療は、理論的な事については、確実な事はなんにも、言えなかったりします。結局は、経験の積み重ねで、帰納法的に、それなりの仮説を構築していく為、実践的な反面、厳格なルール化も出来ないのです。それを割りきって、上手く利用するというスタンスが良いと私は思っています。厳格なルール化が出来ないのは、インチキだからだという人は、残念ながら、一生、その恩恵を得られません。研究者ならともかく、一般の人は効果を優先した方が得する人生になると思いますけど、どうでしょうか。

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