オープンソースな医療情報

医療難民救済の為、主にオープンソースな医療の情報公開しています。リンクフリーです。

オープンソースな治療法 その31(憩いの時間と場所)

今回は、あまり、具体的な方法の紹介ではありません。しかし、かなり、本質的な話です。

 

現在、大きな病院、小さな診療所、問わず、医療施設には、高齢者であふれかえっています。これが現在の日本の財源不足の最大要因ですし、今後の社会福祉破綻の最大要因です。政治家の賄賂やら、官僚の無駄遣いなど、桁が違います。

高齢者の病院通いが最大の金食い虫です(1日で数億円と言われているくらいです)。

 

ところが、高齢者の大半は、自分の症状が、治ると期待して通院していません(歳のせいにされている人が大半だから)。

もう、ほとんど、義務教育のように通って、そこで、出会う、高齢者仲間と待合室で

井戸端会議を開くことが一種の楽しみになっているから、通うのです。

しかし、そのために、9割の税金が現役世代にのしかかります(消費税は年齢にかかわらず、公平負担ですが、現役世代の方が普通は使いますから)。

高齢者に関わらず、慢性疾患の大半の原因は、

 

「幸福感の欠如」

 

にあります。寂しい、不安、子供や孫がかまってくれない、嫁が...自分だけ報われない...といった、不幸感です。

幸福も不幸も絶対的な指標はありません。個人の主観に依存した、相対的なものであり、あるのは、幸福感とか、不幸感といった、感覚のみです。

 

しかし、ここで無理なプラス思考を押し付けても、多くは逆効果で終わります。

そこで、病院のような税金がかかる上に、依存性が高く、かつ、過剰投薬による健康被害の問題が出るような場所ではなく、心が安らぎ、楽しくなるような施設を各自治体支援の元に、地元の人が地域おこしとして、すればよいと思います。

(病院否定ではありません。病院を本来の目的以外に使う事を否定しています。)

現に、某県では、廃校となった小学校をカフェとミニ図書館、ベーカリー店を併設して、地域住民の憩いの場となっているそうです。

 

個人で出来る事としては、まず、1日とか1週間を区切って、どれくらい、

 

心が安らぐ

楽しいと感じる

 

という場所や時間があるかをチェックしてみることから始めるとよいでしょう。

他人からすれば、バカみたいなことで構いません。それこそ、幸福感は主観的なものですから。これをするだけで、鬱病認知症などの罹患率は、自然と減っていくと思います。場合によっては、各種心身症にも効果が期待できるでしょう。

 

そんなものが無いと思ったあなた。それこそ、探すチャンスです。些細な楽しみが、どれほど、病気予防に役に立ち、国家経済にまで、影響が出ているかを、ぜひ、考えてみてください。何より、あなたの健康にどれほど、大きな影響があるのかを。

オープンソースな治療法 その30(手作り発酵食品)

ずいぶん、昔から、手作り発酵食品というのが、ブームになっては消えていきます。

中には優れたものもあるので、ご紹介したいと思います。

 

1.手作り味噌

 

味噌はバカにできません。市販の健康食品を買うくらいなら、ぜひ、味噌を手作りされるとよいと思います。味噌は3種類の菌(麹菌、酵母、乳酸菌)で発酵させた食品で、長期熟成させたものは、大きな健康効果があると言われていて、毒素を中和したり、排泄したりする効果があると言われています。ただし、結構、めんどくさいです。その場合、地方の有限会社規模の手作り味噌を買いましょう。大手のはダメです。

 

2.手作り酵素

 

これは昔からある方法を川村文雄さんという方が体系化したものが有名ですが、川村さんの方式のように、発酵菌(ケルプα)を別途、購入したり、海産物の酵素(海の精)を別に入れなくても、十分、効果はあります。安全な地域で採った、野草(土地の所有権とか、しっかり、確認して採取してください。)で作る春のバージョンや、秋に採れる、果物や穀物、野菜などで作る秋のバージョンなどがあります。砂糖で漬け込んで、発酵させ、ジュースを作ります。お薦めは、鹿児島地域に古くから伝わるヨモギと黒砂糖で作る方法です。日の出直後くらいのヨモギにはなぜか、最も乳酸菌が付着しているので、その時間帯にとって、軽く水洗いします。洗いすぎると乳酸菌も落ちてしまうので、注意。それを適量のサイズに切って、ほぼ、同量の黒砂糖で漬け込みます。発酵して十分、エキスが染み出ると、浮いてくるので、それを濾します。市販もされているようです。興味のある方は検索してください。もっと、詳しい情報が見つかると思います。なお、自然界の乳酸菌パワーはすごくて、出来上がったものの容器にフタをしていると、フタが吹っ飛ぶほど、発酵しつづけます。軽く、空気が出るようにしましょう。

 

3.ケフィア

 

ケフィアはロシアのコーカサス地方で主に食べられている、発酵食品で、牛乳で発酵させるものを、ヨーグルトキノコ、黒砂糖で発酵させるものを、黒砂糖キノコとして、日本では普及しました。ケフィアは乳酸菌と酵母菌などの菌の塊の事です。ただし、人工的に乳酸菌と酵母菌を混ぜて、ケフィアの元として、売っているものがありますが、あれでは、なぜか、全く、癒しの力がありません(軽い便秘には効くらい)。だから、なるべく良い生菌をどこかから、入手してください。

ケフィアは雑菌が混ざると、腐敗したりしますので、うまく、作る必要もあります。ただし、黒砂糖キノコなどは、最も簡単に作れますし、増えます。ただ、どんどん、増えて、飲み切れない時がありましたし、結構、酵母菌の力でアルコール成分が出ます。車の運転前などは飲まない方が良いでしょう。お子様にも飲ませない方が良いかもしれません。

 

また、飲んでも良いかは、必要な方は医師と相談してください。

あと、どんな療法でも同じですが、相性がありますので、効果には必ず、個人差が出ます。それは病名、症状名では決まりません。個人の体質で決まります。

なお、自作してみようと思う方は、よく、調べて、管理などもしっかりされてください。発酵食品は、長期旅行などに向いていないものもありますので、途中で失敗する場合もあります。できれば、友人、知人などに株分けしておくとよいです。

オープンソースな治療法 その29(野菜スープ)

野菜スープは1990年代に健康雑誌を中心にブームになった、身近に手に入る5種類の野菜(大根、大根の葉、人参、ごぼう、しいたけ)の煮汁を飲むというものです。

ところが、紹介者が、医師法薬事法違反の疑いで逮捕された事と、紹介者の著作本に科学的な根拠もなく、大げさな表現が目立つことで一気にブームは過ぎ去りました。

しかし、そういった野菜の煮汁を飲むことに慢性野菜不足の現代人にとって、害があるとは思えませんし、有益なケースも多いかと思います。

一定の注意点を守れば、ある程度の健康効果は期待できるかもしれません。

*野菜スープの作り方

材料

量は目安です。
大根  … 1本の4分の1
大根葉 … 1本の4分の1
人参  … 2分の1本
ごぼう … 大4分の一(小なら2分の1)
乾燥しいたけ… 1枚(なるべく自然乾燥したもの)


1.野菜はあまり細かく切らないで、大きめに、無農薬なら、皮ごと切っていれる。
2.野菜の量の三倍の水を入れる。
3.沸騰してから、アクをとって、一時間ほど煮込む。(弱火)

鍋はアルミ製はさけた方が良いです。漢方薬と同様に土鍋か耐熱ガラス鍋が良いでしょう。また、作り置きをせずに、出来れば、その都度、飲み切ってしまう量だけを毎回、作るのが理想的です。また、煮出した後の野菜カスも繊維質が残っていますので、上手に料理に使われるとよいと思います。

*注意事項
野菜スープはカリウムを多く含みますので、カリウムの摂りすぎを禁止されている疾患の人は、飲まない方が良いです。気になる方は医師に相談してから実践してください。野菜はなるべく、安全で新鮮なものを選びましょう。また、量は個人差がありますが、たくさん、飲むほど、効くというものではありません。原著では、お茶か代わりに飲むように指導されていますが、絶対にそのような飲み方はしないでください。また、医師の許可もなく、勝ってに薬の服用を辞めたりしないでください。

詳しくは長屋憲医師の本を参照されるとよいと思います。原著はかなり、いい加減な記述をしていますので、読まない方が良いです。

 

 

オープンソースな治療法 その28(経絡体操)

経絡体操というネーミングの体操は概ね、3種類あるようです。いずれも、経絡を整えるという目的は同じですが、具体的な方法は違っています。より、自分に合った方法を選んでください。

 

1.増永式経絡体操

 

増永静人先生といって、指圧で有名な先生が考案された体操です。指圧に経絡治療という概念を持ち込んだ最初の先生だと思います。それだけでなく、手足両方に経絡が存在するとして、全身24経絡(通常は12)を主張された先生でもあります。京都大学で心理学を学ばれた方でもあり、哲学的な指圧だとも聞きます。

なお、海外ではzen shiatuと呼ばれていて、経絡体操もzen strecchingと呼ばれているようです。youtubeで動画が見られます。

ただ、この体操は別名イメージ体操と呼ばれていて、ただ、動作をするだけでなく、経絡のイメージが大切なようです。

 


タオ療法 経絡法1(肺・大腸) - YouTube

 ほぼ、増永式です。増永先生の弟子である、遠藤先生による、もののようです。

 

2.平田内蔵吉式経絡体操

 

肥田式強健術にほれ込んだ、平田先生による、経絡体操です。平田先生は独自に治療法や理論を提唱した方ですが、他の方の治療法を賛美し、より、改良をするという事もされています。岡田式静座法も独自に改良されたものがあるそうです。

 

3.本山式経絡体操

 

本山先生は、ヨガで有名な先生なので、ヨガに近い感じのようです。残念ながら、私は詳細は知りません。経絡体操で検索をすれば、必ず出てくるので、一応、紹介しておきます。

 

ちなみにヨガのアーサナでも、ストレッチなどでもそうですが、パターン系の運動療法で注意すべき点があります。

 

それは完成されたポーズをとる事を目的にしないという事です。

私はヨガを20年やっていたという人を二人、診た事がありますが、部分的に関節のスジが緩みすぎていて、全身がアンバランスで色々な症状を訴えていました。

これは無理にポーズをとる事に熱心だったためです。

 

ポーズは結果的にそうなるだけで、目的ではありません。

ヨガでも、動作の途中経過で出てくる身体感覚を感じる事ポーズを辞める途中での筋肉の緊張の開放感などを感じる事に焦点をあてます。感覚を大切にしないといけないのです。この辺りは困ったことに指導者がわかっていないのです。だから、指導者も実は不健康だったりする場合が多いのです。

オープンソースな治療法 その27(認知行動療法)

認知行動療法というのは、主に鬱病の人に行われる、精神療法の一種なのですが、既に病気になった人の為だけでなく、心の健康法として、使える、実践的な方法です。

 

詳細はコチラのサイトのこのpdfをダウンロードしてお読みになるとよいと思います。

 

認知行動療法とは、つまるところ、認知の歪みを正していこうという方法です。私たちは他人の心が読めませんから、言動、仕草、表情などから、想像で相手の意図をくみ取ります。ところが、必ずしも、実際の相手の意図と一致するとは限りません。中にはマイナス思考が極端に働く性格傾向を持っている人もいますので、自身で作り上げた誤解が、過剰なストレスになって、鬱病などの精神疾患を患う原因の一つになっているという事です。そこで、認知(相手の気持ちをくみ取る段階)を、バランスよく思考して行うようにしようという事で、いわゆる、世間でもてはやされている、プラス思考ではありません。

 

プラス思考は、有害な場合があります。たとえば、相手が本当に嫌がっているのに、嫌いも好きの表現だと自分に都合のよい解釈をしてしまえば、最悪、ストーカーになる可能性もあります。そして、反省をしなくなります。さらに、マイナス思考の強い人に無理にプラス思考を押し付けると、潜在意識(無意識)が強く反発するので、結果的に余計に悪化する場合も珍しくありません。認知行動療法はバランス思考で、現実的な思考に戻すという考え方です。こういった、思考のメンテナンスをバカにしてはいけません。私達のストレスの大半は、実はストレッサーそのもの(たとえば、上司とか、姑とか)ではなく、自分の認知にある場合が多いからです。

 

仏陀が色即是空だといったのも、結局、認知の歪みの事だったのではないでしょうか。もちろん、無理やり、プラス思考を説かなかったのも、さすがは目覚めた人と言えます。

 

ただし、認知行動療法は重症の鬱病の人などは、必ず、専門家の指導の元で行うようにしてください。

掘り下げシリーズ その2(操体)

このブログで何度も登場する操体ですが、一言に操体といっても、指導者の数だけ、方法があると言っても、過言ではないくらい、考え方もやり方も違います。そこで、私の知る限り、分類してみようと思います。私は操体は仏教に似ていると思います。仏教はゴーダマ・シッダルタという、王子が悟りを開いて、仏陀(目覚めた人という意味)になり、人々に説き始めたのが始まりです。その為、ゴーダマが説いたものこそが仏教であり、それ以外は仏教とは言わないという、原始仏教や初期仏教と呼ばれる宗派があります。ただ、現在は、題目を唱えたら救われる(大乗仏教)とか、釈迦以外にも如来の存在を認め(目覚めた人なら、皆、仏陀であり、ゴーダマ以前にも以後にも存在しうるため)、外国の神様も仏として、習合している仏教も仏教として、認知されています。操体も、創始者の橋本敬三先生の意思を引き継いでいる流派やら、瞑想に近い流派や、より科学的な流派や、様々な団体が玉石混合として、存在しています。

 

1.創始者伝統の原始感覚(快適感覚)を重視する流派

 

橋本先生の直弟子達がより、その方向性を尊重して、継承、発展させているパターンです。操体は橋本先生が1970年代に発表された、

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)

 

時の方法が第一次操体と呼ばれているもので、それから1980年代に入って、原点回帰し、より、原始感覚を追求した方法へと進化していきます。ところが、市販された本を橋本先生は改訂される気が無かったらしく、その為、次に紹介する、未だに第一次操体操体のすべてだと思っているパターンがあります。

 

2.楽な方に動いて、瞬間脱力するパターン

 

これは操体というより、操体のもとになった、正体術に近い方法です。上記の本の方法、そのものです(第一次操体)。感覚を重視するよりも、純粋な運動療法として、とらえていて、どちらに動かすか?を重視する傾向にあります。この方法を採用している操体指導者がものすごく、多いです。これはこれで、相応の効果があるのですが、直ぐに戻りやすい、すぐに左右差が無くなってしまい、その次にどうしたらよいのか、わからないなどの短所があります。ただし、簡易で、マスターしやすい長所もあります。

 

3.瞑想や気功など、東洋医学、東洋哲学と融合させたパターン

 

これは呼吸を大切にするのが特徴です。動くときに吐いて、止める(操体用語でタワメ)時に肛門を締めて、瞬間脱力するというのが、気功的な方法で、瞑想的な方法はゆっくりと動いて、ゆっくりと脱力する事に重点を置く方法のようです。イメージと併用する場合や、掌(気が出ているとしている)を患部に置いて、膝倒しなどをしたりする場合もあるようです。

 

4.PNFやMET(マッスルエナジーテクニック)ような操体

 

これも、第一次操体とほぼ、同じと思ってよいのですが、その理論が科学的に説明されている事が大きく、違います。感覚はあくまで、動きの方向性を決定させる診断(動診)の為で、それを味わう事は目的とは考えないようです。

 

5.連動を重視する操体

 

橋本先生が大きな課題を残したまま、後の世代に託したものがあります。それは連動です。特定の動きは、主力筋肉以外に、様々な筋肉が協調して、実現しています。たとえば、バットを振るという動作も腕だけではなく、腰をねじる動作を使う事で、より、大きな動きになるというのは、ご存じの方も多いと思いますが、意識的に腰を動かさなくても、ある程度は腰も動いてしまうのです。そして、実はほぼ、全身の筋肉が動きます。これを連動と、操体では言います。連動をうまく使うと、一つの操法で、全身の調整ができます。そこで、どのように連動させるのか?人体はどのように連動していくのか?という事が既存の学問に存在しなかった為、橋本先生は後世に託したようです。それを継承したのが、直弟子の先生方や、感覚は重視はしないけど、連動で遠隔操法をするパターンの先生方です。たとえば、足首を動かす事で、首の調整をしたりします。ここで、感覚を重視するのか、しないのかでさらに分かれますが、多くの場合、連動は、

 

「症状を簡単に戻らせない為に行います」

 

症状が戻るのは症状を作る個所が残っているからです。たとえば、足首がゆがんでいると、連動して、首もゆがんでいきます。首だけ、操法で修正しても、足首が元のままだと、また、足首から首の歪みを作ってしまうからです。そのため、方法は大きく分けて、二つ、あります。

 

1.各パーツごとに、操法をして、全身の修正をする。

2.末端から連動させて、一気に全身修正をする。

 

2の方が効率が良いのは言うまでもありません。また、首をどちらに動かしても痛いという場合も足首などから連動させると、痛みを感じにくい場合もあり、遠隔操法ならではの効果もあります。この連動も、連動パターンをあらかじめ、想定してする方法と、あくまで、感覚を重視して、想定はしないパターンとに分かれます。どちらも、アリですが、個人的には想定はしない方がより、個人別にきめ細かく対応できてよいと思います。

 

このように、操体は指導者によって、考え方も方法も、かなり、違います。私が好む方法は

 

1.自分が心地良いと思うスピードで動き、連動したくなったら、次々と連動していきます。したくなかったら、そのまま、

2.自分が心地良いと思うところで止まって、心地良さが薄らぐ程度で

3.心地良い方法で脱力する

4.心地良さの余韻も十分、味わう

5.もう一度してみたい場合は繰り返す

 

という、あくまで、自分の感覚で判断する方法です。自分の意識の置き所も、もっとも自分が心地良いところに置いてやればよい(たとえば、丹田)とする方法です。

 

以上、操体初心者の方には何を言ってるのか、さっぱり、わからなかったと思いますが、とりあえず、色々なやり方があるんだなぁと思ってもらえたら、それで十分です。ちなみに私は今のやり方に落ち着くまで、4人の先生の方法を体験しました。

掘り下げシリーズ その1(自彊術)

まだまだ、紹介する治療法、健康法はたくさんあります。しかし、多くを紹介する事がこのブログの目的ではありません。医療難民救済が目的です。それには実践的でなければ意味がありません。去年は一通り、療法を紹介してきましたが、今年はそれも引き続き、行いながら、従来、紹介した療法をもう少し、掘り下げてみたいと思います。参考になさってください。今回は最も、検索率の高いところからということで、自彊術にしたいと思います。

 

なぜ、ラジオ体操にとって替わられたのか?

自彊術の歴史は古く、それも、天才整体師によって、開発された、病気が治るレベルの自己整体法というべきもので、健康維持目的の体操といったレベルを遥かに超越しています。いわば、日本式気功の一種ともいうべきもので、一時は多くの学校で採用され、国民的ブームにもなり、ラジオ体操導入時に

 

「我が国には自彊術があるのに、なぜデンマーク体操(ラジオ体操の原型と呼ばれている)のようなものを導入せなばならないのか?」

 

と議論にもなったと聞きます。そうなんです。そこまで、効果の高い体操をなぜ、より、効果の低い方法へと、わざわざ、移行しなければならなかったのでしょう?残念ながら、政治的背景は知りませんが、実際、実行する側に気持ちに立って、考えてみるとわかる事がいくつか、あるんです。

 

1.辛い。もう、ラジオ体操の比ではありません。それも、通常、難病を治そうという人がするわけなので、半端な辛さではありません。それも難病者は1日、2回する事になっているのですが、実際、そこまで出来る人は、病気なんだけど、体力がある、アスリートみたいな人しか、無理なのではないでしょうか。

2.31種類も覚えるのは結構、大変。

3.寝ころぶ動作があるので、屋外でできない。つまり、場所を選ぶ。それなりの広さも必要になります。

4.音楽が無いので、なんとなく、ノリづらい。->続けにくい。

 

これらは、もっと簡便で、リズミカルなラジオ体操にとって替わられた理由の一つにはなっていると思います。その証拠に、自彊術教室に通っている人の話では、実際に体操をするのは、教室に通って、皆と一緒にする時だけなんです。こんなものは毎日、出来てナンボなのに、教室に通っているという気分的な満足感に終始している人が非常に多いんです。それだったら、DVDを買って、毎日、少しずつ、無理ないレベルで続けていく事の方が遥かに有益です。ありがたい事に自彊術はパターンですから、DVDで結構、実践的な効果が出ます。もちろん、教室があるなら、実際に行って、指導を受ける方が絶対に良いです。でも、それで満足してしまうのなら、教室など、行かない方がよいです。こんな事、1週間に1回、まして、ひどい場合、月に1回なんてペースでやっても、何の効果もありません。自彊術はそれだけの覚悟をもって、しないといけないんです。ただ、きちんと、手順を踏めば、

 

1.比較的楽に、短時間で実行できるようにはなります(私は一応、半年間、毎日、試しました。引っ越しで、出来なくなってしまったのですが)。

2.毎日、出来にくい動作とできやすい動作がある事がわかって、体調管理としても使えます。

3.何より、1度、覚えてしまえば、パターンなので、楽です。考えないで済むというのは、日課として、行う健康法では普通は有利になると思います。

 

という長所も実感します。ただ、一度、中断すると、やっぱり、辛さを感じますね。それに時間もかなり、かかります。いくら、反動を利用してといっても、体力もそれなりに必要です。肝心の効果なのですが、さすがに天才整体家が考えただけあって、骨盤などはする以前よりもずいぶん、矯正されましたし、全身の姿勢が良くなりました。

 

ただ、色々な方にお勧めしましたが、現在も続けている人は皆無です....。月、1回の教室に通いだけ続けている人はいます。もちろん、家ではやっていません(もちろん、健康改善は無し)。

 

同じく、パターン系である真向法なのですが、これは、時間は短くて済みますが、その分、一つ、一つの動作が辛いと思います。動作数も少ないのですが、その分、変化の度合も少ないです。自彊術に比べれば、病気治癒というよりも健康維持的な側面が強いような気がします(あくまで私見)。

 

そして、パターン系全般の弱点があります。それは健康な人間は左右対称という、間違った考えの基に作られているという事です。大抵の骨格矯正系の手技療法もそうなのですが、人間の身体は左右対称とは限りません。その人なりの正常なバランスが取れている状態が健康の範疇という事なので、無理やり、左右対称にしてしまう事が、はたして、健康になるという事なのか?というと、疑問に思うところもあるわけです(だから、私は操体を最も、勧めている)。ただ、概ね、左右対称に持っていくと、健康になる人が多いというのは事実のようです。以上、ご参考までに。

ご意見、ご感想はこちら(メールフォーム)
まで