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本当のインフルエンザ対策

何年か前に新型インフルエンザ事件があり、空港閉鎖など、大騒ぎしたことがありました。街中のマスクが品切れ状態で、あの時は、間違った情報がマスコミやネットを通じて、氾濫しました。

 

結果、毒性が弱い上に、良く調べたら新型ではなかった

 

というオチがついて、収束に向かいました。

 

新型感染症の話題が出ると、マスコミがまず、過剰反応して、それから、国民がそれに反応します。

 

あの時も、マスクは売り切れる勢いなのに、スーパーのお惣菜やパン屋さんなどでは、いつもと同じく、商品を野ざらしに展示していました。もし、感染者が近くでくしゃみ、咳を何度かすれば、間違いなく、ウィルスは付着します。

 

それを加熱せずに食べれば、感染する可能性は、マスクをしていない事より、よっぽど高い確率になるでしょう。

 

まず、インフルエンザに限ってですが、感染や予防法の誤解を解いておきましょう。

 

1.インフルエンザは既に感染している人がマスクをしない限り、マスクはあまり、予防効果はありません。

 

2.手洗い、うがいも大切ですが、そもそも、食品を加熱などして、食べる習慣をつけないと意味がありません。

 

3.ウィルスが体内に入ると、即、感染ではありません。

これは、感染というのは、個人の免疫とのシーソーであるという事です。そもそも、感染というのは、体内でウィルスが一定以上、増殖して、初めて、感染したと表現します。なぜなら、ウィルスの強さや数と、個人の免疫(ウィルスを駆除する力)とのバランスで、増えるか消滅するかが、決まるからです。これはインフルエンザに限りません。

 

4.ワクチンは重症化を予防できる可能性が上がるだけで、感染予防は保証されていない。

これは3の理由からです。ワクチンは免疫の力そのものを上げるわけではなく、一度、学習させることで、ウィルスと対峙しやすくするだけだからです。もともと、免疫が低い人は、予防できないどころか、最悪、肺炎や脳炎を起こして、亡くなる場合もあります。毎年、高齢者施設では、ほぼ、強制的にワクチン接種が行われますが、それでも、集団感染して、亡くなる方が出ます。それは、主にこれが理由です(あとはワクチンと実際に感染したウィルスの型が合っていなかったというケースもありえます)。

 

それでは、どうすれば、予防、重症化を防げるのでしょうか?

1.普段から、免疫が下がらないように生活習慣を見直す

免疫が下がる理由は様々ですが、一般的には、腸内細菌の善玉菌が少ないとか、ストレスが大きな要因となると言われています。あと、血行が悪く、低体温の人も免疫が低い傾向があります。よって、軽い運動に、植物性乳酸菌(味噌など)をとり、かつ、足湯などで体を温めましょう。特にステロイド剤などを使用している人は、要注意です。ステロイドは炎症を抑える薬ですが、要は免疫を下がる薬だからです(だからといって自己判断で勝手にやめないこと!)。

 

2.ワクチンは受けた方が良いのは良い

私はむやみにワクチンを打つのはあまり、推奨しません。ワクチンは時に重大な副作用をもたらすことがあるからです。また、ワクチン自体で感染する人も稀ですが、います。しかし、感染で重症化するリスクの高い人はやはり、有効な対策だと言えます。

幼児、高齢者、感染すると危険な状態になりやすい持病を持っている人はやはり、受けた方が良いと思います。

 

3.頻繁に水分をとる

これは小児科の医師などがよくする対策です。要はウィルスが気道に入るまで増殖する前に胃に流して、強力な胃酸でウィルスを殺してしまうわけです(ウィルスはそもそも、生命かどうかすらわかっていないので、殺すという表現は便宜上です)。

どれくらいの頻度かというと、15分ごとくらいです。

 

4.もし、感染したら?

ウィルスは48時間で完全に増殖してしまいますので、その後で、薬を飲んでも、実は無駄なんです。よって、もう病院についたときに熱が40度近くある人ははっきり言って、薬による効果はあまり、期待できません。しかし、解熱剤は必須です。この解熱剤の使い方がポイントになります。

 

そもそも、発熱しているのは、免疫が正常に働いているからです。ウィルスと戦ってくれているからです。しかし、あまりに高熱が続き、肺炎や脳炎を起こすと命にかかわります。よって、多少、免疫を下げても、発熱、炎症を抑えないといけません。

 

しかし、そうなると、戦う力を下げることでもあるので、治癒が遅れることも事実です。この辺のバランス感覚がインフルエンザ治療の要となります。なお、初期のころなら、抗インフルエンザ薬も期待できます。

 

あと、若年者に見られる、謎の行動(うわごと、飛び降りなど)は今までは薬の副作用だと認識されていましたが、薬の服用とは無関係だとわかりました。どうやら、インフルエンザに感染することそのものが、これらの症状を引き起こしているのではないかという説が濃厚になってきました。そのため、中学生以下の人が感染した場合、そういった行動をとらないような対策をとらないといけません。

 

なお、今のところ、成人にはそのような行動は見られないそうですが、まだまだ、医学は発展途上で、常に後追いになっているのが現実です。念のため、成人も気をつけた方が良いでしょう。

 

感染症は手洗い、うがい、マスク、ワクチンが予防の定番ですが、実はうがいとマスクはあまり、効果がありません。ワクチンと、頻繁な水分補給と免疫強化が要です。

以上です。ウソの情報には惑わされないようにしましょう。

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