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NHKの腰痛・治療革命について

めずらしく、マスコミにしてはまともな放送内容だったので、見ていない人の

為にご紹介するとともに、誤解を与えかねない部分もあったので、私から

補足しておきます。まず、いつまで有効なリンクかわかりませんが、NHKのサイトです。番組の内容については著作権の関係もあり、再放送かオンデマンドでごらんください。

www.nhk.or.jp

 

補足点

 

1.腰痛は恐怖の感情だけではない

 

腰痛は怒りであると主張する先生もいます。また、東洋医学でも心身医学でも、特定の症状と感情が一対一で結びつくとは考えません。強い悲しみでも、腰痛になる人はなります。

ただ、一度、強い症状に襲われると、どうしても、不安はつきものになってきますので、そういう意味では恐怖の無い人はいないというのはウソではないと思います。

ただし、恐怖心を克服すれば治るというほど、単純なものではありません。ちなみに、番組内では、前回、紹介した曝露療法(認知行動療法)が紹介されていました。

 

2.アスリート系の運動は逆効果が多い

 

番組内ではフィットネスクラブで運動するような光景がありましたが、あれはそういった運動が腰痛に良いというわけではなくて、あくまでも、動かしても、問題はないという、認知をやり直すためのものです(従来は安静が一番だと間違った医学常識があった為)。スポーツは大抵は身体に良くないのです。それだったら、操体のような感覚療法をする方がさらに、脳には良いはずですし、高齢者にも無理はないでしょう(もちろん、個人差がある事をあらかじめ、ご了承ください)。

 

3.脳が原因だと断定も出来ない

 

番組内では、腰部に器質的な病変が無いのは脳が原因だと決めつけるような内容でしたが、実際は心かもしれません。心と脳は同じものかどうか、まだ、科学的には結論が出ていません。おそらく、脳のMRIをとっても、異常のない人もいるはずです。

 

4.認知行動療法は万能ではないし、鍼灸よりも有効とも限りません

 

これは、偏見です。特に鍼灸は施術者の力量と患者との相性で効果が全然、違いますので。ただ、認知行動療法心身症への応用はこれからもっと期待できると思いますし、ぜひ、保険適応にしてもらいたいと思います。

 

番組への評価:

完璧な手術をしたと自負していたら、ちっとも症状の改善は無かったと、きちんと認めていた整形外科医は、珍しく、正当な医師の態度だったと思いますし、放送内容も比較的、偏りが無かったと思います。ヘルニアは手術しか治せないと断定口調で話す、巷の整形外科医たちには、しっかりと、受け止めて欲しいものです。

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