シンドラー博士の6つのチェックリスト
シンドラー先生は、心療内科黎明期の名医と言われた、主に心身医学の観点から治療にあたっていた先生です。先生は臨床経験や大学の研究などから、身体の病気の半分は心因性によるものと主張されています。という事は純粋な精神疾患も合わせると、全疾患の大半が心が原因で起きるという事になります。それほど、重要な心の問題ですが、現代人では、せいぜい、医師に「ストレスでしょうね」と言われるだけで、具体的な対処法はもちろん、解決策の提示は全く、されないままで終わります。そこで、伝説の名医、シンドラー先生の6大原因のチェックリストを挙げてみます。詳細はシンドラー先生の本をご覧ください。
なお、自己チェックだけでなく、親しい人(友人や家族)などにもチェックしてもらうと、より、正確な情報が得られると思います(自分ではわからない事が多いものです)。
1.自尊心が欠如していないか(私はダメな人間だと感じる)
2.他人に評価されていないと感じているか
3.他者(家族含む)から愛されていないと感じているか(特に家族は大きい)
4.不安感があるか(経済的なことや健康や身内のなど)
5.創造的な活動をしていない(些細な事で構わない)
6.新しい体験をしていない(マンネリズムな生活の毎日)
内容がかぶっている部分もあると思いますが、一応、原著の通り、6つを挙げておきます。
なお、これら全てに問題の無い人はいないと思います。問題は程度なんです。
病気になるほどかどうか。また、こういった状況にならざるを得ない人でも、病気になる人とならない人がいます。その違いをシンドラー博士は精神の成熟度によると説明しています。しかし、それは教育が問題であり、どんな人も精神の成熟について、学ぶ機会がない社会であるからとしています。
PTSDのような衝撃的な事があって、病気になるケースは心身症であると、医師もすぐに判断しますし、自身もわかりやすいと思います。しかし、1回、1回はダメージの少ない精神的な疲労でも、何度も長期的に繰り返されることで、心因性の病気になっているとは、専門家も自身も周囲の人も気づきにくいのです。それが医療難民を生む、大きな原因となっていると思います。
私も臨床上、よく、「なぜ、こんな症状になるのですか?」と聞かれます。
そんな時、本当は心因性だろうなぁと強く、推測されるケースでも、直接、
指摘する事はありません。人間は本質を突かれると、本能的に否定したくなるからです。そのため、まず、自己チェック。次に心許せる人にもチェックしてもらいましょう。
「こころ」と「身体」の法則―伝説的名医シンドラーが遺した知恵
- 作者: ジョン・A.シンドラー,河野友信,John A. Schindler,伊藤真
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/03
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