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オープンソースな治療法 その5(病を忘れる)

これは方法そのものは誰にでも出来て、誰も知的所有権なども主張出来ませんので、安心して実践出来ます。ただし、言うが易し、行うが難しの典型とも言えます。それは

 

病を忘れる

 

という方法です。これは私の考えではありません。中村天風さんや、前述した、リウマチ医(最近は他の診療科もあるようです)の篠原佳年先生などが有名ですが、大昔から言われている事のようです。

実際に記憶を部分的に消去する事など、出来ませんから、忘れるという意味は

 

症状にとらわれない程度に思い出さない事

 

のようです。例えば、どこかに痛みがあるとしますと、通常、私達はソコが気になって仕方ない状態になるんですね。ごく、普通の現象です。ところが、24時間、四六時中、気にしていると、神経過敏状態になり、治癒系が正常に働くのを妨げるようです。まるで、病気や症状を気にすることで、ソレ自体(病気)にエネルギーを与えているような感じでしょうか。しかし、忘れろ、気にするなと言われても、坐禅をして、何も考えるな、無になれと言われているのと同じで、

 

忘れようと努力するほど、気にしてしまう

 

という、努力逆転現象に襲われてしまいます。そこで、実際は何か自分が夢中になれる事に意識を向けて、忘れるようにします。これは篠原先生の著作本にもあったのですが、実際に私の患者さんにも起こった事を例に出して書きますと、

 

初孫が出来て、その世話を夢中でしているうちに、症状が緩解したリウマチの女性

 

がいます。その間、症状を忘れてしまい、薬を飲む事すら、忘れていたというのです。篠原先生は、病気を治すには、病を忘れるか、他人の為に尽くす事ですと言われています。ちょっと、道徳的な要素はあるものの(聖人でも病気になりますので、誤解の元になりやすい)、要するに症状にとらわれない心理状態を作る事なんです。結局、

 

私達は自分の思考で自分を傷つけたり、癒したりしている存在

 

なんです。ところが、

 

思考を思考でコントロールする事は出来ません

 

そのため、瞑想や坐禅といった技術が必要になってくるわけです。思考を止めたり、制御しようとするのではなく、なすがままに、思考を流して、それに囚われない状態を人為的に作るわけです。篠原先生が他人に尽くすと言われたのは、道徳的な意味でおっしゃったのかどうか、わかりませんが、他人の事を見ている時の心理状態は自分の事を見ている時よりも、距離がありますから、症状を忘れやすいのだと思います。

これも立派な治療法の一つだと言えると思います。

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